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希望を実現するための「力」――SST

2025.7.25

精神科デイケア“アミーゴ”では、SSTが週に1回のプログラムとして組み込まれており、グループ形式で運営がされています。

SSTは認知行動療法の一種で、いわゆる“人とのやり取りの仕方”をグループの場で練習し、実生活で実践を積み重ねることで、対人スキルを身に着ける・向上させるのに役立つプログラムです。

 

1年8カ月前から参加してきた宮野さんが、先日SSTを卒業しました。

宮野さんは“自分から話しかけをするための話題を増やしたい”という目標に向かって、自分から他者に話しかけをする練習と、実生活での実践を繰り返していく中で、かなり話題を的確に使えるようになっており、スタッフ側も宮野さんはもうそろそろSST卒業でよいのではと思っていたところで、宮野さん自身からも卒業の意思が示され、卒業となりました。

 

今回のブログ記事を書くにあたり、改めて宮野さんにSSTについてインタビューを行ないました。

 

<SSTで身に着けたスキルはその後使ってます?>

「使ってる。ほぼ○○さん(スタッフ)にしか使ってないけど」と答えはしましたが、宮野さんが通所者仲間と交流している姿も日頃から見られています。

 

<身に着けたスキルは頭に残ってます?>

「うん」と答えて、スキルの具体的内容をスラスラと話していき、スキルがかなり身に着いていることが伝わってきました。

 

<ただ、SSTに出なくなってさみしいと言っていたと他のスタッフから聞いたが>

「(笑)さみしいというか、2年弱くらい参加してたから、SSTがなくなって物足りないというか」

それだけ宮野さんはSSTに熱心に取り組んでいたということが伝わってくる言葉でした。

 

<SSTに参加した期間を振り返ってみるとどうか>

「前に比べたら、話がスムーズにいくようになった。前は引っ込み思案だった。SSTやるようになって少しは引っ込み思案がなくなった。交流が増えた」

<アミーゴへの通所を再開した当時は、何もしないで1人でいるのが多かったですよね>

「そうそう」

<話題がない、と以前はよく言っていたが>

「かつてはなかった。(SSTで練習したスキルを実生活で使うようになって)結構言葉が出るようになった」

 

<最後に、今後SSTに参加する方へのメッセージがあれば>

「自分で積極的に話をして、話せるようになってほしい。話をしていて相手の人もイヤな気にはならないので。自然に話せばいいので。力をつけてほしい。(練習したスキルを実生活で使うことで)必ず自分の力がつきますから」

と、アミーゴ通所メンバーに見せたらSSTに興味を持つ人が新たに現れそうな、非常に頼もしい感想を話してくれました。

 

宮野さんは、“自分から話題を出して話しかけをできるようになりたい”という希望があり、それでSSTに参加するようになりました。

精神疾患に罹患すると、希望を諦めざるを得なくなることは多々あります。

ただ、宮野さんが「力」というワードを使ったように、希望を取り戻し、その希望の実現に向けて自身の「力」で進んでいくことは可能であり、希望を実現するための「力」をつけることこそが精神科リハビリテーションの核となるものでもあります。

宮野さんがその過程を進むのに、SSTという手段が役立ったようであり、SSTを専門技法の1つとして使っている私としても、大変嬉しい体験となりました。

 

 

精神科デイケア“アミーゴ”スタッフ 上野


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