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リカバリーしていくこと――精神疾患について学ぶグループへの参加を転機として

2018.8.11

精神科デイケア“アミーゴ”では、自身の精神疾患について学ぶプログラムがあります。

プログラムのタイトルは『あす☆なろ』で、現在は、

毎週月曜午前 統合失調症基礎編

毎週火曜午後 統合失調症基礎編

隔週水曜午後 神経発達症基礎編

として、3グループが行なわれています。

 

どのグループも、かつてメンバーとしてプログラムを履修して、修了したメンバーに、“ピアスタッフ”として参加してもらいつつ・運営にも携わってもらっています(注:雇用関係の生じる正式な“スタッフ”ではなく、厳密には“スタッフ的”立場。)

“ピアスタッフ”とは、“ピア”(精神疾患を持つ当事者としての『仲間』)として、“スタッフ”的な立場も持って活動する人のことを指します。

3プログラムの中の火曜のプログラムに、新たにピアスタッフとして参加を開始したメンバーがいます。

そのメンバー(Sさん)に、ブログの記事にすることを前提として、スタッフがインタビューを行なったところ、発病当時から現在ピアスタッフをつとめるに至ったところまで、いろいろ語っていただけました。

 

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私の持つ精神疾患の病名は統合失調症です。

昭和に発病しました。

発病当時、幻聴がありました。生まれて初めての体験でした。

それと、満腹中枢が狂っているような感覚があり、何膳食べたかわからなくなり、もう1膳、もう1膳、と食べていました。病院にかかるようになる前のことです。

幻聴があって、一切眠れませんでした。

幻聴と会話していたような記憶も残っています。

幻聴は自分のことを嘲笑するような内容を言ってきて、『鼻癌であなたはいくばくもない』など言われました。

一番つらいのが眠れないことでした。

それで、三芳病院に来ました。

最初、主治医から病名は伝えられませんでした。

睡眠薬を与えられ、他の薬も飲むようになりました。

それから、東京に出て薬を飲みながらアルバイトできるようになりました。

 

しかし、その後再発しました。

働いていて、薬を飲まなくなり、おかしくなりました。

会社から母に連絡が行き、母が来て、内緒で味噌汁に薬を混ぜられて飲ませてくれていたと後で知りました。

そのうち、会社に行ったり行かなくなったりして、会社を辞めました。2000年のことです。

 

それから、実家のある南房総に戻って来て、散歩をしたり、母と買い物に行ったり、の日常生活でした。

職安にも行き、スーパーでアルバイトをするようになりましたが、収入が一定以上あるとダメ、という縛りか何かがあり、8か月で辞めざるを得ませんでした。

 

統合失調症がどういう疾患なのか、そしてそれについての薬のことは、全く知りませんでした。

抗精神病薬という名前とか、統合失調症の治療に適したものを使う、とか。

あす☆なろに出て、初めて知りました。

知った結果としては、知らないよりは知っていた方が、対処法につながるのかな、と感じています。

私は前に大量服薬で救急で運ばれたことがあります。

調子を改善するには、薬を大量に飲めばよいと思っていました。

あす☆なろで薬について学んで、そういうことはもう起こさないかな、と思っています。

対処法も学べました。自分にとっては、風呂に入って横になる、麦茶を飲む、というのが、良い感じがしています。

 

ピアスタッフとしてあす☆なろに久々に参加し始めましたが、以前あす☆なろで学んだことの記憶がうろ覚えになっているところもあり、知識を再確認できてよいな、と感じています。

スタッフ的立場としては、次回は“ストレスダムモデル”の講義を担当するように依頼されています。

デイケア通所のない日に復習してから、本番に臨もうと思っています。

今後ピアスタッフとして、今の参加メンバーに、自分の体験談や対処法を話して、少しでも役立ててもらえたらな、と思っています。

 

あす☆なろピアスタッフ S

 

 

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Sさんは、かつて参加メンバーとしてあす☆なろに参加なさってきて、更には、自身の疾患からの回復をテーマにして語る別のグループにも参加していますが、ここまで詳しく発病当時のエピソードをスタッフが耳にしたのは、初めてでした。

Sさんは苦しい体験をした時期もあったけどこういう役割をになうまで回復して来られたのだな、と感じるとともに、Sさんご本人がおっしゃっているように、自身の体験や、これまで学んできたことを、今度は他の当事者仲間にも伝えることにより、Sさんが自身の存在価値を感じる“リカバリー”の体験となってくれればよいな、とスタッフは思っています。

また、同じ当事者としてこのような役割をになえる、というモデルにSさんがなることで、他の参加メンバーにとっても、「自分もこのような役割をになえるかもしれない」という希望を持つ“リカバリー”の体験となってくれれば嬉しいなと、スタッフは思っています。

 

精神科デイケア“アミーゴ” スタッフ


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