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精神科デイケア“アミーゴ”では、毎週金曜日に“選択プログラム”というプログラムがあります。
選択プログラムでは、院内で行なうプログラムと、院外で行なうプログラムを、それらを開催したいと考えるメンバー自身が皆の前でプレゼンテーションし、採用されると晴れて後日開催となるシステムとなっています。
この日は、“みんなで塗り絵”というプログラムが初めて開催されました。
アミーゴでは、日頃から塗り絵の活動を好んで行なっているメンバーは多くいらっしゃいますが、“みんなで塗り絵”は日頃塗り絵のように各人が行いたいデザインで塗って終わり、という形式とは異なり、予め決められた数種のデザインの塗り絵の中からひとり1枚を選び、塗り上げた完成品を提出・展示し、参加者それぞれがいいと思った塗り絵に投票し、得票数上位者が表彰される、というシステムで開催されました。
企画者は内藤さん（仮名）で、企画と当日の進行を担いました。
また、メンバーの中から内藤さんによって選ばれた共同企画者2名も一緒に運営を担いました。
この日の通所者の半数弱は院外のプログラムの方に行ってしまったため、少なめの人数での開催となりましたが、院内に残ったメンバーの多くが参加しました。
みな静かに集中して塗っていました。
最終的に、「3位くらいがいい」と事前に言っていたメンバーが、最も多くの得票を得て、優勝となりました。
黒で背景一面を塗っており、他のメンバーとは一線を画した独自性のある配色で、実際に作品が並ぶとまず目が行くような構成となっていました。
一方で、塗る時間が足りなくなった人もいて、終了後に企画者間の振り返りの中でも、「時間の配分が難しかった」という感想が出ていました。
新たな企画にチャレンジすると、未体験がゆえに、実際やってみて初めて気づく点もあるというのは、スタッフが企画するプログラムにおいても同様で、スタッフもよく経験することです。
しかし、それに気づくのも、新たなことに踏み出したからであり、踏み出さなければ気付くことさえできません。
現状維持をしていれば安定してはいますが、成長はありません。
私自身、メンバーがその“踏み出すことでの成長”へ進むことへの後押しと、やり過ぎない程度のお手伝いをすべきだな、と改めて感じた、今回のメンバーが企画した“みんなで塗り絵”プログラムでした。
精神科デイケア“アミーゴ”スタッフ
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